校長室の窓から 7月14日
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 五色台学習の期間中、朝食の配膳中に別の生徒がお茶を水筒に入れる。水筒は各自の持ち物で、蓋を取り、空にして洗ってクラスごとに固めて食堂隅のテーブルに並べてある。それが、一日分の個人のお茶になる。4リットル入りのヤカンで40個近い水筒にお茶を入れるのは結構骨の折れる仕事だ。水筒には0.5〜2リットルのサイズがあり、「大きい水筒には半分くらいでいいよ」と、教師が毎年指導してきた。
 6月22日の朝、朝食の配膳が終わり、館外で待機していた生徒が着席してもなかなか「いただきます」の声がかからない。まだお茶を入れているクラスがあったのだ。担任が「大きい水筒は満タンにしなくていいのよ」と声をかけると「小さい水筒の子は、すぐにお茶がなくなって、大きい水筒の子に分けてもらっているんです。だから、大きい水筒も満タンしておかないといけないんです」と、その女子生徒が答えた。彼女はお茶を個人のものでなく、クラス全体の総量でイメージして、何度もヤカンを満たし、水筒に注いでいたのだ。私は、炎天下の野外活動中、大きな水筒を持った生徒のまわりに、飲み干した小さな水筒の蓋を持って級友が集まっているようすや、寝床で「ちょっとお茶をくれ」と友だちに頼むようすを想像していた。大きい水筒が友だちの笑顔を呼び込んでいる場面だ。
 教師の一律の指導を超えた対応を生徒が実行していた。「負うた子に教えられ」という言葉を、教師は常に胸に持っていたい。