本校の重点目標の一つに「人権尊重の精神に徹した同和教育の推進」があります。21世紀を生きていく子どもたちにとって「人権感覚」は,なくてはならないものではないでしょうか。
「人権感覚」とはみんななかよくという心がけをもつ段階にとどまらず,差別を見抜き,差別に負けない,差別を許さない強い心をもつことであると本校ではとらえています。そこで,1年生から6年生まで全ての学年で,差別に対する科学的認識を深める学習(人権・部落問題学習)と地域に教材を求めふるさとに誇りをもつ学習(地域学習)を核にした総合的な学習を実践しています。
次の表は,その一覧です。
学 年 テ ー マ |
人権・部落問題学習 |
地 域 学 習 |
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1年 |
みんななかよし
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身近な差別の学習 | 田村隣保・児童館での 学習 |
2年 |
心と心をつなごう
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「障害」のある人に対する 差別の学習 |
上天神隣保・児童館での学習 |
3年 |
つるおの町をたんけんしよう
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身近な差別の学習 | 田村隣保・児童館での 学習,鶴尾の紙作りの 学習,鶴尾小学校の歴史の学習 |
4年 |
ともに歩もう
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「障害」のある人に対する差別の学習 | 鶴尾校区の自然や出水 の学習 |
5年 |
かがやけ命
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ハンセン病療養所入所者に 対する差別の学習,エイズ患 者に対する差別の学習 | 鶴尾校区の史跡や環境 の学習 |
6年 |
語り合おう 自分の思い
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部落問題学習 | 鷺田村小学校事件の 学習 |
総合的な学習の核となる学習の一つである「人権・部落問題学習」では,1・3年生で,身近な差別問題を取りあげています。1年生では,友達のことをよく知り,一人一人がそれぞれのよさを発揮して,楽しく学校生活を送ることができるような集団づくりをめざしています。そして,3年生では,子ども一人一人の本音を出させたり,相手の気持ちをしっかりと考えさせたりして,よりよい人間関係を築こうとしています。一人の問題を学級全体の問題として真剣に考えていくことが,差別を見抜く目を育てていくことにつながると考えたのです。
2・4年生では,「障害」のある人に対する差別の不合理性について学習しています。資料による一事例にとどまらず,発達段階に応じて「障害」について知らせるとともに,「障害がつらいのではなく,差別がつらいんだよ。」と差別の不合理性にせまろうとしています。さらに,「障害」には先天性のものと後天性のものがあり,誰もが「障害」をもつ可能性があることも学習します。また,香川中部養護学校の児童との交流会を年間3回ずつ行い,知識から実践に高めようとしています。
5年生では,香川県にあるハンセン病療養所入所者からの聞き取り調査を行い,正しい知識を知ることの大切さや偏見によって傷つけられた人の思いに共感し,自分を見つめさせ,これからの生き方を考える一つの機会にしようとしています。また,関連として,エイズ感染者への差別問題についても学習しています。
一方,総合的な学習の核となる学習のもう一つ「地域学習」は,地元を見つめ,地域の文化や歴史を掘り起こしていき,自分の思いを地域の文化や歴史に重ね,差別への憤りを劇や集合作品に表現していこうとする取り組みです。1年生のうちから同和地区に入り,自分自身の目で見,体験を重ねていくことが偏見を払拭することにもつながると考えています。また,隣保・児童館の文化祭見学をとおして,地域の人々の差別解消への熱意にふれさせたいと考えています。
こうした5年生までの学習の積み重ねの上に,6年生では同和問題について学習します。5年生までのこうした体験が,6年生で部落問題について学び,部落差別について知ったとき,生きて働く力の基盤になると考えています。さらに,6年生では「身分制度」から現在の同和問題までの一連の学習の中で,大正時代,本校の前身である鷺田村小学校で起きた「鷺田村小学校事件」を教材化しています。これらの学習をとおして,部落差別がいかに人の心を傷つけるものであるかを認識させ,今も残っているすばらしい日本の伝統文化等をつくり,たくましくすばらしい人たちであるとともに,本校の教育に情熱を傾けた同和地区出身の教師のすばらしさにも共感させていこうと考えています。
本校では,これからもさらに実践を積み重ねていきたいと思っています。そして,追って紹介していきたいと考えています。