◆ 研究内容
・具体的な活動や体験を通して,対象の持つ情報を収集し,目的や意図を明確にして読み取る力の育成
・目的や意図に応じて,考えたことや伝えたいことを的確に伝え合う力の育成
◆ 研究実践
【調べたことや学んだことをまとめよう】の実践
(1)表現力を育てるために 〜キーワードをとらえる〜
文脈が見えてくると,大切なことばが見えてくる。文脈の読みは,キーワードに気づくことである。資料からキーワ ードをぬき出し,付せん紙に書き出すという活動を設定することで「読み」の過程において,思考力をはたらかせ読解活動につなげることができた。
城下町グループのA児は,資料からキーワードをぬき出した後,城下町の地図作りと関連させ,構造的にまとめていった。また,高松城グループのB児は,時代やできごとの流れがよく分かるようにタイトルをつけた年表のようなつながり図を作成していった。キーワードを並び換えるたり,まとめたり,整理したりすることで正確な読みにつながっていると考える。
【二番丁のすばらしさを伝えよう】の実践
(2)〜 伝え合う力を高めるために 〜
香川県歴史博物館の学芸員の方に,学校に来ていただき,「高松城下屏風図(たかまつじょうかびょうぶず)」を使って,資料から読み取れ る高松城・城下町について学習した。グループで「高松城下屏風図」を見て,情報を抜き出しそれを発表用紙にまとめていった。各グループから出された情報を全体で交流し合っていく中で,自分たちが気づかなかった情報や資料の活用のしかたについて学ぶことができた。
教室で資料を活用しての学びを際に確かめたいという願いから,次に高松城を案 内していただいた。
・城の周りには,白壁の家(武士が見学することのできない重要文化財の「着見櫓(ちゃくみやぐら)」「水手御門(みたらいもん)」)がかたまっているなあ。
・「艮櫓(うしとらやぐら)」などの建造物に入り,実際にさわったり,使ったりしたなあ。
・葵(あおい)の紋がついた船が港にあるよ。
・井戸で水をくむ人がいるよ。などの反応が子どもたちからあった。
専門家の話や本物による体験の感動を伝えたいという思いや願いは,次の学習課題づくりへとつながっていった。
子どもたちからは,「高松城・城下町のガイド」「城下町探索マップづくり」高松城おすめ散歩コースマップづくり」など,伝えようとすることの目的や意図に応じた表現方法が話し合われた。