平成16年1月
関係各位
                                                 発起人 坂本信孝
                                                      鍋嶋 豊





  御厩焼きの開始は,山田郡元山町の百姓彦四郎によって,製法が発明された江戸時代中期にまで遡ります。以降,その後継者たちによって改良が続けられ,津内山周辺は,焙烙などの生活雑器を生産する窯業地として発展を遂げてきました。幾たびかの盛衰を経て,昭和20年代後半まで御厩焼きの生産地として名をなしましたが,産業の近代化に伴い,廃業が相次ぎ,残った事業所も石油の窯にかわっています。
  こうした中,地域には,全国でも五指を数えるまでに減少した,故山田清明氏所有の平窯が1基存在します。残念なことに,この御厩最後の窯も3年前の焼成を最後に操業を終えました。校区には失われていく窯や関係の技術を後世に伝えたいという願望が根強くあります。
 一方,檀紙小学校では,御厩焼きを総合的な学習の中心的な素材として,3つの学年で取り組んでいます。学習では,聞き取り調査やかつて窯業生産に従事した地域ボランティアの協力を得て,実際に焙烙や飯釜などの生活雑器を作り,それを使って製品の価値と地域の伝統産業についての理解を深める学習を展開しています。現状では,薪焚きの窯がないために,電気窯や野焼きでの焼成を行っていますが,協力者からは,還元炎焼成が可能な本格的な薪窯の必要性が指摘されています。
 また,地域や研究者の間には,時間とともに風化し,失われてしまうであろう技術の伝承と操業に関わる事項の記録保存を望む声も多く聞かれます。
 こうした様々な声を集約し,地域の活性化と学校教育の充実を目的に,以下に示す事業を計画するに至りました。

 事業の概要は次の通りです。

 1 学校内に,地域,PTAの協力を得て,倒焔式の平窯を築造する。
 2 築造後は窯を使って,総合的な学習を展開するほか,地域の中で窯焚きの技術伝承を行う。
 3 築造の過程で,事業に関わった方,かつての窯の所有者,同じく築造に従事した方への聞き
  取りを行い,集まった様々な伝承や資料,逸話などを記録する。

 平成16年1月を以て,発起人会,実行委員会の立ち上げを経て,これらの事業を実施するものです。

 学校教育の充実,地域文化の創造,文化財保護と伝統の継承等,各位それぞれの立場から,事業の主旨をご理解頂き,ご支援とご助力をお願いする次第です。
檀紙小学校平窯築造の趣意書