○ ハンセン病について【「小学生のためのハンセン病の知識」より】

 ハンセン病とは,1873年にノルウェーのハンセンが発見したらい菌の感染によって, 皮膚とおもに皮膚や筋肉に張りめぐらされた神経(末しょう神経)などがおかされる病気 です。らい菌の毒力はごく弱く,うつっても発病することはほとんどありません。それに 今では,よく効く薬があって完全に治る病気になりました。 しかし,昔はらいとからい病とかいわれ,効く薬もなく,顔や手足などに目立つほどの 跡を残すこともあったので,恐ろしい伝染病のように思われて,らい予防法という法律で 強制的に療養所の中に一生閉じこめられてきました。
  うつりにくいし,発病もしにくく,たとえ発病しても完全に治るようになったうえに, 人間として生きる権利をふみにじるようならい予防法は,もともと必要がなかったことも 明らかとなり1996年に廃止されました。それでもまだ,悪い恐ろしい病気という間違っ た考え方(偏見)が一部に残っており,患者さんや家族の人たちを苦しめていますから, だれもがハンセン病についての正しい知識を持たなくてはなりません。