研究所だより 第53号
「教 職 員 の 研 修」に よ せ て
所 長  宮 武 宏 之
所長あいさつ 最近,イノベーション(innovation 変革 新機軸)という語をよく見聞きします。教育界においては,教育基本法の改正論議を頂点とし,学力・規範意識・ITの教育活用等々の多種多様な教育論議がなされています。その基軸は,時代の変化に対応し時代の要請に応える教育の在り方にあり,そのためにどうイノベートしていくかにあるように思います。
 時代の変化に対応し時代の要請に応える教育を創造的に実践するためには,その第一線の実践者である教職員が,知識と教養,指導技術・本質と末端を峻別する力・自制力等に関わる資質と能力・力を高めることが大切であり,それを支えるものが研修であると考えます。なぜなら,研修とは,「研究と修養」を意味し,その意義は,学術(学問)をみがき修めること,執務能力を高めるために特別に学習すること,学問的に深く考え調べ明らかにすることであると考えるからです。そして,その内容は,教職員としての資質教養,児童生徒に関わる資質能力,児童生徒に対する指導技術であると考えるからです。
 哲学者ソクラテスは,「何よりも大切にすべきは,ただ生きることではなく,よく生きることである」と言っています。これを『教職員』という枠組みの中に当てはめるとき,「教職員として何よりも大切にすべきは,教職員としてただ生きることではなく,教職員としてよく生きることである」と言えると思います。教職員としてよく生きるとはどのように生きることであるか,それを探し求め続けるところに教職員としての成長があり,その真髄は研修を通して得られると考えます。私は,そのキーワードとして,"目標とビジョン""志と向上心""努力"の三つを考えています。  高松市教育文化研究所は,研修・指導に関わる事業を実施しています。本年度,11名の教員を長期研修(内地留学)生として受け入れ,24の研修講座,研修会・教育講演会を主管開催してい ます。また,学校訪問時,要請による現職教育等における指導・相談を行っています。研修・指導 に関わる事業が,教職員の資質の向上と学校教育の充実につながることを期待しています。


教育文化研究所では、教員研修、情報管理、教育相談等に関する支援を行っています。
調査研究 研修・指導
研究委員会学習指導,情報教育,生徒指導に関する研究委員会を組織して行っています。成果は研究紀要や研修講座を通して発信しています。
教員の資質向上を図るため,研修講座・研修会・教育講演会を開催するとともに,研修生への研修の企画・指導を行っています。教員の研修活動の支援に努めて います。
情報管理 不登校対策
高松市教育情報通信ネット ワークシステムの管理・運営, テレビ会議システムを活用した交流学習の推進,高松教科書センターの 運用等を行っています。 児童生徒,保護者,教員の不登校に関する悩みに応えるため,適応指導教室を運営するとともに,キャンプや各種研修会を開催しています。
広報活動
要覧適応指導教室要覧研究所だより研究紀要等を刊行しています。事業に関する 詳しい内容や研修会の開催等の様々な情報は,Webページでもお知らせしています。

高松市適応指導教室
虹の部屋
みなみ
適応指導教室
 「学校へ行きたくないな。」夏休みが終わる前など,誰でも一度はそう思ったことがあるのではないでしょうか。不登校は,何かのきっかけで,どの子にも起こりうる可能性がある問題です。しかし,本人の将来を考える時,不登校状態が継続することは,決して望ましいことではありません。子どもたちが将来的に自立し,豊かな人生を送ることができることをめざし,支援を行っていく場所が適応指導教室「虹の部屋」と「みなみ」です。 「虹の部屋」という名前には,雨が上がり晴れた空に虹がかかっているイメージを,「みなみ」は高松市の南部に位置することと,明るい太陽のイメージを重ねています。「虹の部屋」と「みなみ」は,学校へ行けない子どもたちの「心の居場所」として,いろいろな体験活動や一人ひとりに合った学習支援を行い,社会性や学習習慣を培っていきます。
みなみ  また,子どもたちの在籍校との連携を図る方策として,適応指導教室の指導員と在籍校の教員が情報交換や援助の在り方について話し合う「在籍校との連絡会」や不登校の子ども一人ひとりの理解や援助の在り方について考えていく「事例研究会」などを開催します。学校と適応指導教室が手を取り合って,子どもたちの学校復帰への道を探っていきます。自分の学級の子どもが不登校になった時, 担任の教員にはさまざまな不安やストレスがかかります。そんな 時に,校内での相談体制だけでなく,「虹の部屋」や「みなみ」の 指導員とも連絡を取り,少しでも適切な対応が進められるように, 教育文化研究所では,連携を図るための援助を行っていきます。

学習指導に関する研究委員会

確かな「国語力」育成のための学習指導の在り方

− 基礎的・基本的な国語力の習得を目指す言語活動の工夫 −

学習指導研究委員会  国語は,長い歴史の中で培われてきたわが国の伝統や文化の基盤であり,知識や知恵を獲得する知的な活動を支えるとともに,文化を理解・創造・発展させる能力形成の根源となっている。文化審議会答申でも国語力の重要性とその方策を示し, 様々な分野で国語力の育成が推進されるよう求めている。本研究員会では,国語力育成のための研究主題を標記のように設定し,本年度から3か年の調査研究をするものである。初年度は,学校ではどのような具体的な課題があるかを調査,考察し,次年度以降,授業実践を通して,具体的に「聞く・話す・読む・書く」などの言語活動を工夫して基礎的・基本的な国語力の育成に迫り,学習指導の場で生かせることを目指している。
本研究委員会では,幼稚園2名・小学校6名・中学校2名の教員が研究委員として幼・小・中の国語力のつながりについても研究していく予定である。調査に対して各園,各小・中学校のご協力をいただければ幸いである。
 ( 林 靖子 研修指導員)
情報教育に関する研究委員会

コンピュータなどのICTを活用した授業実践と情報モラルの育成(U)

− 情報教育推進をめざすカリキュラムとそれを支える情報モラル育成事例の作成 −

 平成18年度高松市教育委員会の指導の重点の中の重点課題への対応の一つに情報教育への推進と題して,「コンピュータなどのICTの活用方法に慣れ親しみ,習熟することなどを通じて,子どもたちが情報を主体的に活用できるようにしよう。」・・・とある。また,文科省の施策を踏まえ,全ての教員がコンピュータを活用した授業を実践することができるようになること,そのために,ハードウェアの整備と教員の資質・能力の育成を図ることをねらいとして,環境の整備もなされてきた。一方,本市のコンピュータ等の設置状況に伴うICT活用状況は各校のカリキュラムによるところが多く,子どもたちのICT活用状況も違ってきていた。そこで本市の目安となるべくコンピュータ操作スキル情報モラルのカリキュラム及びその実践事例を17年度作成した。18年度も文科省の情報教育に関する方向と本市の実情を捉えながら,引き続き2年次の研究として積み上げていきたい。そこで,高松市教育文化研究所情報教育研究委員会では,上記のねらいを達成するために,これまでの研究成果を踏まえ,「コンピュータなどのICTを活用した授業実践と情報モラ ルの育成(U)」を課題とし,情報教育の望ましいカリキュラムやその授業実践事例を作成 しつつ,広く教育現場で活用でき『子どもたちが情報を主体的に活用できるようになるもの』 として提供することとした。
 コンピュータなどのICTの活用については教員の資質・能力の向上として重点課題の一つであるが,一方子どもたちがICTの活用方法に慣れ親しむことと情報モラルの指導も急を要する。そこで本年度も二年次として継続研究をし,成果として報告したいので,ぜひ活用いただきたい。
 (渡邊 巧正 研修指導員)

生徒指導に関する研究委員会

心豊かでたくましい人間の育成

−自己指導力を育てるための,学校教育相談の在り方−

生徒指導研究委員会 報道メディアをにぎわす少年の非行や犯罪,減少傾向にあるとはいえ10万人を超える不登校生の存在。学校は,生徒指導上の課題を抱えて,その対応・対策を求められている。これらの課題への取り組みとして,学校教育が児童生徒に行動や判断の基盤を身につけさせる要を強く感じる。  このことを踏まえ本研究委員会では,昨年一昨年度と「自己指導能力を育てる学校教育相談の在り方」を調査研究し,方策を提案した。本年度からは,「自らを律することができる児童生徒」を育てるために学校教育でできることは何かを探り, 行動や判断の基盤を身につけさせる取り組みを提案したいと考えている。 
この調査研究を行うに当たって,市内の小・中学校教員等の意識調査を行い基礎資料を得たい。
ご協力をお願いしたい。(松之内 康浩 研修指導員)

研究委員一覧

研修講座一覧へ
たくさんのお申し込みありがとうございます。

平成18年度
教科書展示について
教科書展示教育文化研究所では,香川県教育委員会の委嘱を受けて,教科書の展示を行っています。今回の展示会では,新たに平成19年度高等学校第1学年用教科書を展示しています。  展示会期間中は,土曜日,日曜日も閲覧できます。なお,期間中は教科書の貸し出しは行いませんので,ご了承ください。教科書展示の詳細はこちら
 展示期間終了後も教科書を常設展示しています。教材研究をするときなどに活用してください。展示期間以外は,土曜日,日曜日,月曜日が休館になりますのでご注意ください。

TENSの利用方法及び ガイドラインについて
TENSイントラネット  高松市の各小中学校は,高松市教育情報通信ネットワークシステム(TENS)とつながっています。このシステムは,NTTにサーバーを置くセンターサーバー方式です。TENSには,高松市の各小中学校からしか見ることのできない内部サーバー(イントラネット)http://www2.edu-tens.net/と,全ての人が閲覧可能な外部サーバー(インターネット)http://www.edu-tens.net/の2つに分かれています。これらの特性を十分理解し,効果的な活用を図ってほしいと思います。また,TENSは学校と市教育委員会の文書の送受信ができるメールサーバーも完備しています。メールを使って学校間交流をしたり,校内での情報交換をしたりと様々な活用方法が考えられます。ぜひ,積極的な活用をお願いします。
 TENSの活用については,「高松市インターネット利用基準」や「教育コンピュータ利用基準」を参照してください。また,各学校が独自に作成している「学校情報機器等の管理運営要綱」についても,必ず,目を通しておいてください。 最後に,教育用コンピュータ及び校務に使用する個人パソコンでは,数多くの個人情報を扱うと思われます。それらの個人情報については,厳重な管理・運用が必要です。現状では,ハードディスク内にデータを残したままにしてあったり,外部接続の記憶媒体の保管が不十分であったりと,大変危険な状態にあると思われます。一度,校内研修等を開き,どのようにすれば個人情報流出という事故が発生しないかについて研修を深めてほしいと思います。教育文化研究所としても,関係機関と連絡を取りつつ,理想的なデータ保管のあり方について研究を深めていく予定です。研究成果については,メールやホームページを通じて情報発信します。